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京都大学特命教授 博士(工学) DBアジュディケータ 調停人 仲裁人

調停

紛争当事者の和解を手助けする手法

国際商業会議所(ICC)は国際商事紛争に対して仲裁サービスやADRサービスを提供しているが、そのADR規則のまえがきで、仲裁や訴訟に行く前、或いは係争中であっても調停によって和解に至ることが望ましいと調停が推奨されている。

また、FIDICのレッド・ブックによる紛争解決条項においても、DBの決定に不満と仲裁開始の意思表明をしても56日を経なければ仲裁を開始することができないと規定されている。これは「和解期間(Amicable Settlement Period)」と呼ばれ、この間に調停などによる和解を試みることを義務付けている。

大本は調停を行う際に以下のような形式をとることを推奨している。

  1. 社内法務以外の弁護士などの参加を認めない
  2. 当事者からの必要書類は期日までにすべて提出する。その後、例えば1週間というような十分な協議日程をとり当事者、調停人が同一ホテルに泊まり、その期限内で和解を達成する努力をする。
  3. 最初に当事者が協働してスコット・スケジュール1を作成する。この作業の中で問題点が明確になり、紛争のいくつかが決着する可能性がある。
  4. 調停人によるファシリテーション、当事者間の交渉、提起された問題に対する内部ミーティング等を繰り返すことによって両者のギャップが狭くなったり、埋まったりし、和解への可能性が高まる。ホテル内での徹夜の作業にも拘わらず和解に至らなかったときにはきっぱりと仲裁や訴訟に行く準備をすればよい。

このような形式は和解への可能性を非常に高める。


1. 争点と両当事者の主張、要求金額などを表にしてまとめたもの。これによって争点整理ができ、当事者、調停人(仲裁人)の理解を助ける。次のウェブサイトが参考になる。 https://www.justice.gov.uk/.../scott-schedule-note back

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